小郡の犬飼さん 七夕ぼん-おごおり探検隊

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 気づいた織女が布をひったくった。ふわりと肩にかけて歩くと、空に体がうき上がった。子どもたちは手をたたいて大よろこび。
 織女は家の中に走り込むと、筆をとって、もも色のほそ長い紙に字を書いた。

子どもといっしょに天に帰ります。七月七日にあいきにてください。きっとですよ。天で待ってます。

「さ、行きましょう。」
inu-05.jpg 子ども二人の手をひいて、空高くのぼっていく。三人のまわりを紫の布がひらひらと舞っていた。
 アカが気付いて、ギャンギャンほえた。彦がかけもどってきたときには、三人の姿ははるかに遠い空を、高く小さくなっていた。
 それからの彦とアカはふぬけになってしまって、ぼんやりしているばかり。畑の手入れもしないし、田を耕すこともしない。

やがて、だんだんあたりの空気が暑くなってきた。彦とアカがふっと気がついたときには、七月の六日になっていた。
「あしたは七月七日じゃないか。」
と彦は大きな声でいった。すると体に元気がわいてきた。彦とアカはもりもりとめしを食った。そこらにある食えるものを、なんでも食った。