小郡の犬飼さん 七夕ぼん-おごおり探検隊

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inu-11.jpg 王さまのごきげんがとてもいいので、彦もいい気分になっていた。姫も安心していた。
 そこに、丸いスイカがきた。彦はためらわずに上から下に切りおろした。ところがこのスイカ、横にねていたのだ。おまけに上になったところにきずがあって、つるがおちたあとのようにもり上がっていたのだ。彦がそこから切りおろしたとたんに、切り口からどっと水があふれ出た。あふれ出た水はうずをまいて流れ、彦とアカを遠くへおし流した。
 水は川になって、宮殿と彦の間を、とうとうと流れつづけた。彦は姫と子どもの名をよびつづけた。アカが悲しい泣き声をあげている。宮殿のがわでは、姫が子どもたちが泣き叫んでいた。その声はあたりいっぱいになって、いつまでもつづいていた。
 聞いているものはたまらない。涙を流して、なにもする気がしない。そんな日がつづいた。困った王さまが、とうとう大声で叫んだ。
「ようし、一年に一どだけ、七月七日におまえたちが会うのをゆるしてやる。それまでの間は、姫は雲錦(うんきん)の布を織れ。彦はそちらにわけあたえた百頭の牛のせわをしろ。いいな。わかったか。」