「よし。このへんでよかろ。」
そっとおろすろ、西に山が一つできた。
東の山から、も一つてっぺんを折ってきて、並べて置くと、二つめの山ができた。
三つめ。四つめ。五つめ。六つめ。七つ、八つと山が並んだ。
「もうよかろ。あと一つでしまいにしよう。」
神さまはこれでおしまいのてっぺんを、東の山で折りとると、両手にかかえて、心うきうき、空を飛んで行く。
ところがね、東と西のちょうどまん中あたりで、手のあいだから、ぼと、ぼとと、土がこぼれ落ちた。
「ありゃしもた。ひろいたいけど両手がふさがっててひろえん。あとで来。」
神さまはそのまま空を飛びつづけて、最後の山のてっぺんを西の山に並べておいて、それからゆっくりあともどり。
「あった。あった。」
平らな地面にこぼした土がみつかった。