神さまはその土の横に、左の足をおろした。と、大きな体の重みで、足首まで地面にめりこんだ。またを広げて、右の足をおろすと、右足もずずんと地面にめりこんだ。
神さまは体をかがめて、土をひろおうと手をのばしたが、まてよと、手をひっこめて
よくよく見た。
「よか。よか。こりゃあ、よか。」
こぼした土は小さい山になっていた。てっぺんがすっと高くて、まわりにすそを広げて、小さい山は小さいなりにかっこよく、りんとして立っていた。
「こりゃ美しうて、あいらしか。」
そこで神さまは、
「ジョン(かわいい)、ジョン(かわいい)。」
といいながら、てのひらで山の頭をなでなさった。
そして、もう一ど、
「ジョン。ジョン。」
いうて頭をなでてから、空を飛んで、どこかに行ってしまいなさった。あとにはかわいいジョン山と、神さまのあしあとが残ったと。